1997年11月1日 フランスW杯最終予選 韓国−日本
ソウル 蚕室(チャムシル)オリンピックスタジアム

0( 0-2 )2
0-0

この試合だけは絶対に忘れられない。魂の震えを感じた試合。

  当時、日本代表は監督更迭の甲斐なく、1勝4分け1敗勝ち点7、2勝3分け2敗勝ち点9のU.A.Eに次ぐB組三位。対し、韓国代表は5勝1分け勝ち点16とし、ダントツのB組首位。すでににフランスW杯出場を決めていた。前節、U.A.Eに痛い引き分けを喫し、自力でのプレーオフ進出の消えた日本代表は最後の望みを賭け、敵地ソウルに乗り込んだわけである。


  当初、日本のW杯出場はソウルで決まると思っていたおいらは、Basiliskメンバーのtake-cとソウル観戦ツアーに申し込んだ。が、思いがけない日本代表の苦戦である。実際、何度これまでかと思ったことか。。。一縷の望みを胸にソウルの地に降り立った。
 
  11月1日午後、ソウルチャムシルスタジアム到着。スタジアムは8割が赤!まさにAWAY。初めてスタジアムで鳥肌が立ったことを覚えている。この日、日本サポーターは約1万5000人が海を越えやってきたという。
数では劣る日本サポーターだが、さすがにここまで来るやつらの気合は違う。韓国サポーターにも負けていない。
  そしてついに試合開始。いきなり、日本の左サイド、相馬が駆け上がり、グラウンダのセンタリング。呂比須が流したところを、後ろから駆け込んだ名波の左足!開始1分、あっという間の先制点。狂喜乱舞する日本サポーター。もちろん、おいらとtake-cも喜びの雄叫びを上げる!でも、正直びっくり。。。ここ数試合、得点力不足に悩まされていただけに、こんなにあっさり入ってしまうとは。
  が、この日の日本代表はこれまでと違った。いい意味で開き直ったのか、次々とチャンスを作っていく。前半20分頃には右サイドを駆け上がった名良橋からセンタリング。走りこんだ呂比須のやや後ろに。。。あぁ〜、これはダメかと思った瞬間!呂比須の芸術的オーバーヘッド!!惜しくも韓国GKに阻まれるも、どよめくスタジアム。一瞬時間が止まった。
  そして迎えた前半37分。左サイドスローインを受けた相馬がペナルティエリアへ深く切り込み、センタリング!ゴール前に走りこんだ呂比須が冷静に韓国ゴールへ流し込み、2−0!!!周りの人と抱き合って喜ぶ、おいらとtake-c!本日二度目の狂喜乱舞!
てか、相馬見直した。まじで。今までブーイングしてごめんなさいって感じ。
  前半はこのまま日本ペースで終了。


ちなみにこの写真は2点目直後。
  そして後半開始。既にW杯出場を決めているとはいえ、日本に対しホームで負けるわけにいかない韓国。いきなりロングボールを蹴りこんでくる。普通であればどうってことなく見えるボールも全部危うく思えてくる。周りのサポーターたちも同じようで、ロングボールが蹴りこまれるたびにところどころで悲鳴が。。。が、冷静に跳ね返す、日本ディフェンス陣。
  ふと時計を見ると残り20分。韓国の猛攻を何とかしのぎ、依然として2-0で日本がリードしている。が、見ているこっちは生きた心地がしない。。。とにかく早く時間が過ぎてくれと祈るばかり。。。
  ところが、ここからがまた長かった。時計がまるで進んでくれない。5分くらい経っただろうと思って、時計を見ても1分も経ってない。こんなに時間が過ぎるのが遅く感じたのはこの時が初めてだった。国立でのU.A.E.戦なんかあっという間に過ぎていったのに。
   後半45分が過ぎ、残るはロスタイム。それでもまだ落ち着かない。ここで1点でも取られると一気に逆転されてしまうような雰囲気なんである。それでも日本ディフェンス陣の集中は切れない。
  ようやく、ながーいロスタイムも過ぎ、試合終了のホイッスル!本日3度目の歓喜の時が訪れた。


  それにしても良く勝ってくれた。韓国はモチベーションに問題があったかもしれないが、それでも良く勝った。
  そして試合終了後、韓国サポーターからニッポンコールが。しかも、「Let's Go To France Together!」という横断幕まで。。。日本サポーターも応え、ハングルコール!思いがけない日韓サポーターのエール交換だった。

おまけ
  やっぱ、韓国で食べる焼肉は本当にうまかった。特にプルコギ!いくら食べても飽きないくらいうまかった。今回は2泊3日とはいっても実質、1泊2日(てか、ほぼ日帰りみたいなもん?)。ほとんど観光できなかったのがちょっと残念。いつの日かまたこの地を訪れたい(2002年かな!?)。韓国の人たちもすごく親切だったしね。
  この後、日本代表は国立でカザフスタンを下し、ジョフォールバルでのプレーオフに進出。イランに劇的なゴールデンゴールで勝利し初のW杯出場を決めた。結果的にこの一戦が停滞していた日本の流れを変えた。

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