2007年6月7日(木)〜9日(土) イワナの楽園

  憧れの谿へ。。。
  何度となくミキさんから聞かされたイワナの楽園。念願叶って今回楽園釣行に同行させてもらえることになった。日程は6月7日〜10日までの3泊4日。メンバはミキさん(隊長)、エッグマンさん(副隊長)、かじぞ(ぺーぺー)の3名、俗に言うAチームである。ちなみに6月21日〜24日という日程のBチームも後に控えている。
#その後風の噂でCチームも結成されたことを知る。。。

6月7日(木) 楽園へ
  午前0時過ぎ、ミキさんとエッグマンさんが我が家へ到着。エッグマンさんとは初対面。某所での活躍ぶりからしてかなりヤバイ人かと思っていたが、会ってみると意外と普通のお方で拍子抜けというかホッとする。(笑)

  そそくさと荷物を積み替えいざ出発。この4日間の予報は初日を除きすべて傘マークが並ぶしょっぱい状況。日ごろの行いのせいか、それとも遠征に参加できなかった面々の呪いのせいか、はたまた3ヶ月の娘をほっぽらかして遠征へ行ってしまうおいらへの罰なのか。。。後には引けない3人組を乗せた車は外環〜関越を乗り継ぎ楽園を目指す。
  関越を降り峠道を進んでいると野うさぎが横切った。「今の轢いてたら食料が増えたなぁ」などと不謹慎な会話をしつつ、4時過ぎ目的の車止めに到着した。交代交代で仮眠を取るようにしようと言ってはいたが、鼻の穴の広がった3人組には全く無駄であった(おいらはちょっと寝ちゃったけどね)。

共同装備を振り分け、楽園へ向け長く険しい道を歩き始める。噂の地獄の急登では心臓バクバク、3人とも無口になり意識を失いそうになりながらようやく登りきった。約3時間のハイキングを終え非難小屋へ到着。軽く腹ごしらえ後、沢靴を装着する。さぁ、いよいよだ。
←噂の地獄の九十九折
   頭がクラクラした
非難小屋で渓装備→
いざ楽園へ  
  久々のゲーター&ウェーディングシューズ。水はかなり冷たく、長く浸かっていられない。何度かの渡渉を繰り返し、ようやく楽園の入り口に辿り着いた。
重いザックを背負っての遡行は思っていたよりかなりキツイ。噂の難所(いやらしい高巻き)直前のヘツリで3回滑って3回沈。その度にエッグマンさんに助けられた。難所はピンソール装着でなんとかクリア。走る魚の数も増えてきた。
楽園の入り口→
  広い河原で休憩を取りつつ、お二人の勧めで竿を出す。イワナはウヨウヨ泳いでいるが、水面を見ていないのかあまり反応がない。一度フッキングしたがランディング直前にバラシ。この辺りはいつもと変わらない。(苦笑)
  その後3人で竿を出しながら遡行を続ける。しばらくしてミキさんが対岸で熊を発見。緊張が走る。ルアーのミキさんは連発してる模様。フライ組みのエッグマンさんとおいらは浮いている魚を探して釣るという感じ。浮いているやつさえ見つければ大抵釣れてくれる。「去年に比べるとかなり渋い」とお二人。それでもかなりの数のイワナと遊んでもらった。
  テン場には14時半頃到着。このときには既にヘロヘロ。ミキさんはもっと上にテン場を取りたかったみたいだが、ヘタレなおいらに気を使ってくれたようだ。感謝。早速、テントを設営。エッグマンさんはおいらと同じMHWのメリディアン1なのだ。ということでメリディアンブラザーズ結成、以降、エッグ兄さんと呼ぶこととする。
#メリディアン二張という壮観な絵となるであろう写真を撮り忘れてしまった。。。大失態ですな。
  しばしの休憩後、釣りを再開。ザックも軽くなったので遡行もかなり楽だ。数尾のイワナと遊んでもらい、そのうちの2尾をおかず用にキープ。テン場に16時頃に戻り、まったりしていると突然の豪雨。慌ててテントに非難。30分ほどで雨は上がったが、いつ降ってもおかしくない状態。夕食は缶詰で簡単に済ませ、19時過ぎにはシュラフに潜り込んだ。。。

  突然の轟音で目を覚ます。閃光が瞬きフライシートを大粒の雨が叩く。翌日はどうなるのか、不安を抱きつつ、また深い眠りに落ちていった。。。

6月8日(金) 探索
  7時半に目を覚ます。外へ出ると快晴。流れに目をやると、昨夜の雷の影響もないようだ。豊かな森というのはちょっとやそっとの雨じゃ影響を受けないものだということを改めて実感する。朝食はイワナのヅケ茶漬け。これが激ウマ!食後のコーヒーを味わい、ゆっくりと釣りの準備をする。
  昨夜干しっぱなしにしていたサポートタイツ(BIOTEX)は予想通りびしょ濡れ。さすがにこれはキツイなぁと悩んでいたところ、ミキさんから直接タイツを履くことを進められる。いわゆるノーパンですな。試しに履いてみると意外とこれがいい感じ。ということでノーパンブラザーズを結成、以降、ミキ兄さんと呼ぶこととする。

  この日はこの遠征でメインとなる一日。準備完了したところでいざ出発。ところがいきなりのアクシデント発生。テン場から川へ降りるところでエッグ兄さんが足を滑らせ背中を強打。なんとか立ち上がり川へ降り立ったがかなり辛そう。それでもせっかく来たのだからと3人で釣りを開始する。
←ヅケ茶漬け
   激ウマっす
こんなところをヘツったリ→
  天気も良いせいか、かなりの数のイワナが浮いている。フライパターンもサイズも関係なし。ドラグが掛かろうがお構いなし。まさに楽園だ。エッグ兄さんがつぶやく。「すれてない管釣りみたいだよなぁ。」ミキ兄さんが応える。「ここで釣りしてたら、下手になっちゃうよなぁ。」3人の笑い声がこだまする。
  釣れてくるイワナのアベレージは大体8寸。たまに9寸越えが出る感じ。ここのイワナは朱点が本当に綺麗だ。なんとなくヤマトイワナに似てるように見えるのはおいらだけだろうか。
#ヤマト釣ったことないけど。
   ミキ兄さんが釣る
←エッグ兄さんも釣る
   かじぞも釣る
    3人共笑顔
  沢の出合いの河原についたところで休憩、昼食とした。ここから状況が一変。空に雲が立ち込め、雨が落ちてきた。。それほど強い雨でもなく、降ったり止んだりであったため、釣りを続行する。エッグ兄さんは背中の状態が良くないらしく、ゆっくり釣り下りながらテン場に戻るとのこと。ミキ兄さんは沢をF1まで釣って本流を釣り上がる。おいらは本流をそのまま釣りあがることにした。が、反応が良すぎて前に進めない!気が付いたら沢に行っていたはずのミキ兄さんがすぐ後ろいた。。。(笑)ミキ兄さんは沢でデジカメを紛失したらしくえらく落ち込んでいたが、相変わらず遡行は超早いので先行を譲る。

  この辺りからおいらの身体にも異変が。遡行の疲れからか右足の付け根に軽い痛みを感じるも、イワナの反応がすこぶる良いので釣りを止めれない。そのうち、古傷である右ひざも痛み出した。。それほど大きな痛みではなかったのでそのまま釣りを続けていたが、後にこれが大きな後悔を招くこととなった。途中、転倒した拍子に竿を折ってしまったため、遡行を断念し、テン場に戻ることにした。このときには足の痛みがかなり大きくなっていた。
  ゆっくりゆっくり足をかばいつつ、テン場を目指す。雨は強くなり、雷鳴も近づいてきた。上流に詰めていたミキ兄さんが追いついてきたので、事情を話し、一緒に下ってもらう。ちなみにミキ兄さんは黒い塊を見かけて慌てて降りてきたとのこと。二日連続ですな。
ミキ兄さんのサポートに助けられながら、なんとかテン場へ到着。

  足をマッサージしつつ、まったりしているとついさっき渡ってきた流れが濁り始め、あっという間にカフェオレ状態に。上流のどこかで大規模な崩落が起こったようだ。もし、あのとき竿が折れていなかったら、きっと釣りを続けていただろう。そうしたら、この足で帰ってくるのにはさらに時間がかかったはず。逆に竿が折れて良かったのかも知れない。。。
←だんだん怪しげな天候に。。。
  雨が止んだ隙に夕食の準備に取り掛かる。焚き火にあたり、メインディッシュのポトフを味わう。冷えた身体にしみる。もう少しでイワナの塩焼きにありつけるという所でまた雨が落ちてきた。しばらく我慢していたが、止みそうな気配がないため諦めてシュラフに潜り込んだ。。。
←冷えた身体にはやっぱり焚き火ですな
ポトフもうまかった〜→

6月9日(土) 撤退
  6時過ぎに目を覚ます。足の痛みは相変わらず。雨は止んではいたが、今後の天候とエッグ兄さんの背中の状態、おいらの足の状態を考え、予定を短縮し下山することとなった。

  朝食後、テン場を撤収。右膝にテーピングを施し(膝のテーピングの仕方を知らないので適当に。。)、痛み止めを飲んで8時過ぎに下界に向けて出発。
  ここからが本当にきつかった。痛み止めもテーピングもほとんど関係なし?右膝が曲げられない。踏ん張りも効かない。エッグ兄さんの背中もかなり悪いようで時折うめき声が聞こえる。負傷兵と化した二人。それでも帰らないわけにはいかないので気合で進む。このときの心境は大げさだけど「絶対生きて帰る!」でした。。
  渡渉の度にミキ兄さん、エッグ兄さんがサポートしてくれる。このお二人の差し伸べてくれた手がどれほど頼もしかったことか。おいらが女だったらもう絶対惚れているところだ。いやらしい高巻きもなんとかクリアし、12時過ぎ、ようやく非難小屋へ到着することが出来た。
やっとこさココまで帰ってこれた
もう涙目
  非難小屋ではやたらと余ってしまった食材をふんだんに使いポトフを味わう。このポトフはこれまで食べたポトフの中でも一番の味だった。しばしの休憩後、非難小屋を出発。お二人からトレッキングポールを借りてゆっくりゆっくり進む。平坦な道になっていくらか楽にはなったが、今度はザックが肩に食い込む。何度となく休憩を繰り返し、16時半、車止めへ到着することが出来た。

  温泉に浸かり、3日間の汚れを流す。さすがに俗世間に戻ってきたのでパンツは履くことにした。
#娘が大きくなって「うちのパパ、パンツ履いてないんだよ」などと言いふらされても困るし、何より娘に真似されても困るので。

  ミキ兄さん、エッグ兄さんが各方面へ帰還の報告を入れている。電話の向こうから漏れてくる声には少しばかりの哀れみと「期待通り」という賞賛が込められていたような気がした。

  結局、天候不良とアクシデントにより一日短縮。まぁ、しょうがありませんな。というか、そのアクシデントもおいらのものですし。申し訳ないっす。
  ミキ兄さん、エッグ兄さんのサポート無くして帰ってこれなかったです。お二人には本当に感謝感謝っす。
  ちなみに、エッグ兄さん、病院で診てもらったところ肋骨に二箇所ヒビが入っていたそうな。。。そりゃ痛いはずです。。。
 
  いろんなことがあった楽園釣行。というか、修行釣行かな。それでも数時間ではあったけど、楽園と呼ばれる本当の姿を見ることができました。さすがに今年はもう無理だろうけど、また来年、必ずリベンジしに行ったるぜい。

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