2011年7月9日(土)〜7月10日(日) 秘境探検
 「あれ?今まで来た中で一番水が多いなぁ。」どしゃぶり隊に入隊希望の明智光秀ことBOSSさんが不吉なことをつぶやく。
んなこと言われても、すでに笹藪を400m(1.5h)も下ってきているのだ。今更登り返すなんてイヤすぎる。
 今シーズン初釣行がいきなりの敗退か!?との不安とともに、遠くつくばの地で怨念を送り続けているに違いないもののけ隊長の顔が脳裏をよぎる。まったくもって縁起でもない。。
 一方で普段から増水慣れしている赤兄と晴れおじさんは「なんとかなんじゃね?」とまったく動じていない。

 覚悟を決めて残りの30mを下降すると、緑に囲まれた美しい渓が待っていてくれた。家を出てから片道400km、時間にして8時間、、いや〜長い道のりだった。
 流れに足を入れると、火照った身体から余計な熱が溶けだしていくのが分かる。濁りもないし、なんとかなりそうだ。

僕の麦わらに憧れた赤兄、
ついに麦わら装備!
 しばしの休憩後、釣りを開始。毛鉤を巻き返しに浮かべてやるとすぐに反応が返ってきた。朱点の美しい飛騨のヤマトイワナ。どこかU川のイワナに似た印象がある。
#U川はニッコウ系だけど朱点の出方なんかがね。。。

 明智さんが心配した通り、水量が多く流速も早いため、イワナの出はかなりシビア。というより慌てて出てきているような印象。イワナらしいおおらかな釣りとはいかないものの、出方が派手でこれはこれで面白い。
 流れに陽が射すようになるとイワナの反応も増えてきた。そこかしこからポンポンと出てくる。おかげで遡行が進まない。
 ふと空を見上げれば真夏の空。さすがのもののけ隊長も遠く飛騨の地まで怨念を届けるのは不可能だったか。
 やがて2段の滝が現われた。ここは右岸から突破。安全第一ということで明智さんがザイルを張ってくれた。感謝。

 相変わらずイワナの反応は良好。ちょうどよい時間となったので昼食をとる。昼食は素麺。渓で食す素麺は格別だね。
8寸、9寸がウヨウヨ泳いでるのに
なぜか4寸を釣ってしまう晴れおじさん。
でも、この天気はこの人のおかげ。
 そのまま釣り上がると、今度は大きな滝が現われた。30mくらいはありそうな直瀑。噂には聞いていたが、これぞ滝!というような見事な姿にちょっと感動。
 この滝も右岸から突破。しょっぱいガレ場を登り、これまたしょっぱい泥壁を明智さんが張ってくれたザイルを頼りに登っていく。足場も悪いし、高度感もあるし、緊張感満点。またまた明智さんに感謝×2。
 ここまでガイドに徹していてくれた明智さんも釣り開始。
 時間も押し迫ってきたので、晩飯用のイワナのキープ指示が出る。が、あまりにも釣れるので後回しにしてたら、1匹もキープできずにテン場に到着。明智さんに叱られる(汗)。

 寝床設営後、晴れおじさんとイワナキープに向かうも、こうなると不思議なもので釣れてくるのは7寸ばかりで大いに焦る。。。それでも、なんとか8寸、9寸を何匹かそろえて帰陣することができた。
 各々、準備を整え、さぁ、宴会。焚火は約10カ月ぶり。やっぱりこれがないと遠征って感じがしないよね。
 数週前の赤兄・晴れおじさんコンビの濁流釣行(その後渓移動でいい思いをしたっぽい)や昨年の九死に一生トリオの鉄砲水事件の話等で盛り上がる。

晴れおじさん特製鳥つみれ鍋、
イワナのなめろう。
 こうやって焚き火をながめていると、今この国で起こっていること、震災のことや放射能汚染のことなんかも、どこか遠くのことのように思えてしまう。でも、そんなことないんだよね。
 以前と同じように、、、とはいかなくとも、何も心配せずに生活できる環境に、、、子供たちが自由に遊べる環境になってほしいと切に願う。原発なんかいらねー。



 翌朝。雲ひとつない青空。暑くなりそう。
 いつものヅケ丼を味わい、寝床を撤収。
 脱渓点に荷物をデポして釣り上がる。イワナも朝から上ずっていて、釣れてくるサイズも前日より明らかに大きい。シーズン初釣行からこんなにいい釣りしちゃうと後が心配になる。でも、釣れちゃうんだからしょうがない。
 4人の笑い声が渓に響く。

朝はやっぱりこれ、
ヅケ丼。
 やがて二又が現れた。赤・晴れコンビは左へ、明智さんと僕は右へ。
 魚止まで行こうと話していたものの、魚が濃すぎてなかなか前に進めない。残念ながら、時間切れ。魚止めまで届かず。
 ラスト一投で釣れたイワナ・・・。引っ張って測ってみたら30.3cm。いろいろツッコまれそうだけど、尺は尺なのだ。これでいいのだ。有終の美なのだ〜。
 で、ここから地獄の脱渓、400mの登りの始まり。
 最初のガレ場は不安定で非常に気を使う。手を掛けた石が崩れ落ちていったときはひやっとした。
 やがて沢となり、両側にワサビの群生が。
 足元を水が流れているのと流れていないのでは大違い。やっぱり涼しいし、なにより釣り師は水がないとパワー出ないよね。
 ここで蕎麦の昼食。
 
天然ワサビは辛さよりも爽やかさが目立った優しい味。どちらかというと西洋ワサビのような感じ。
 お土産用にワサビの茎をいくらか頂戴し、沢を登っていく。
 やがて水も枯れ笹藪に。。20分ほどの藪こぎで登山道に飛び出した。
 もう足はパンパン。心地よい疲労感とともに車止めに向かう。下山後すぐにコーラを一気飲みしたどしゃ降り隊一行でした。

 今シーズンは震災やら原発やらでなかなかテンションが上がらず、初釣行がこの時期になってしまったけど、その初釣行がとんでもなく素晴らしいものとなりました。いや〜、すごいっすね、ここ。案内してくれた明智さんに感謝っす。

 で、こんなにいい釣りしてみんな満足かと思いきや、晴れおじさんは翌日から北海道に「釣り」なんだって〜(呆)。誰かこのおじさんを止めて〜。
というわけで、明智さんも無事どしゃぶり隊に入隊。
もののけ隊長も涙を流して喜んでいるようです。
おしまい。

一部、赤兄、晴れおじさんの写真を使わしてもらいました。あざっす。

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